「いらっしゃいまっせ〜万屋です。仕事の依頼ですか?」
「・・・あの・・・犬が。」
「迷い犬の探索ですか?そんなんこの万屋銀ちゃんの優秀な従業員にかかれば朝飯前どころか夕食時前ですよ〜。」
「いえ、そうじゃなくて・・・デカイ犬が頭に噛み付いて・・・。」
「え?デカ犬?あ〜警察犬はちょっとね〜。ちょっと警察とはウチちょっと関わりたくないんだよね〜。」
「ちょっとぉぉっ!!話し聞いてます?デカイ犬が頭に噛み付いてるっていってんですけどぉぉっ!!」
「あ〜これね。気にしないで下さい。いつものことなんで。」
「・・・でも、血出てますよ?」
「ちょっとぉ〜定春君、血が出るまで噛むのはナシだって言ったでしょ〜が?ちょっとぉ聞いてる?定春君〜?男は女と違って血に弱いんだってナイーブなんだって・・・ちょっと聞いてる〜?」
「アンタが依頼人の話を聞く気あるのか!!」

「なんか・・・ムカつくわ。」
「なんだ?」
「ムカつくのよ、男の癖に化粧したら女よりも綺麗だなんて・・・女としては許せないのよ。」

しかも、それが惚れてる男なのだから尚更・・・

「幾松殿は化粧などしなくても充分美しいと俺は思うが・・・?」
「なっ!?」
「・・・幾松殿?」
「ば、馬鹿いってんじゃないわよ、ほら!口紅つけるから口を薄く開ける!!」

「・・・?」


幾松さん手製ヅラ子